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2005-08.26 Friファミコンから学んだ「企業の戦略」[世の中]

Time[07:15] Comment[0] Trackback[2]
あと約20日も経てば、私は27歳になる。
その記念すべき日の前日、ある有名商品がめでたく20歳を迎える。誰でも一度は楽しんだことがあろうテレビゲーム、スーパーマリオブラザーズだ。発売元の任天堂では生誕20周年を記念して、同ソフトを当時のまま楽しむことができるゲーム機「ゲームボーイ ミクロ」なるものを、記念日である9月13日に発売する。粋なのはそのゲーム機の色だ。初期のファミリーコンピュータのコントローラーを彷彿とさせる、赤と薄い金の組み合わせ。当時のユーザーには涙ものの商品である。私はこの「スーパーマリオ」が発売された当時はまだ小学生で、当然ながらバリバリのファミコンユーザーであった。だからこそ今回の20周年記念には、それなりに時代の変化を感じ、懐かしさや郷愁のようなものを感じている。

当時のファミコンは定価が14,800円。今のように割引販売をしてくれる“ゲームショップ”は存在せず、おもちゃ屋では定価販売が基本だった。小学校低学年の子どもにとって、この価格はかなりの額であることは言うまでもない。私は「親に買ってもらう」ことがファミコンを手に入れる最大の近道だと考えた。

ある年の誕生日のことだ。
私「ねえ、誕生日にファミコンのカセット買って」
母「え?あんた本体持ってへんやん。カセットだけ買っても遊ばれへんよ」
私「ええねん、○○くんの家に持って行って遊ぶねん」

その発言を不憫に思ったのか、母は予想通りファミコン本体を買ってくれた。作戦勝ちである。今思えばひどいガキだったなあと思うが、当時の私や友人のファミコンに対する熱狂ぶりはかなりのものだった。遊ぶときは何よりもまずゲーム。「○○くんはカセットを5本持っていて、■■くんは来週あのソフトを買うらしい」などという情報がクラスを駆けめぐり、挙げ句の果てにはゲームを開発する企業のことまで調べ上げた。そんな奴らの会話には、小学生らしさのかけらも見あたらなかった。

「スクウェアって少人数の会社やのに良いゲームつくるよな」
「そうやな、チーム制がうまくまとまってるらしいで」
「ジャレコってどう思う?」
「う〜ん、老舗やけど隙間を狙いすぎてる感じがする」
「確かに。一つでもヒットを出せば、テクノスジャパンみたいな戦略ができるのに」
「徳間書店なんか完成度高いソフトつくるのに、ヒットないよな」
「でもあそこはファミコン専門誌があるから儲けてるで」
「なるほど。オレ個人的にはデータイーストに頑張ってほしいな」


マイナー企業の名前がこれほど挙がる会話も珍しい。まるでどこかのサラリーマンのような会話だ。しかし良く言えば、私たちはゲームを通じて「企業」というものを学んだのである。簡単にではあるが、経営戦略というものを考え始めたのだ。ファミコンがなければ考えようとも思わなかったことだろう。「ファミコンばっかりやらんと、勉強しなさい!」という小言はよく母親から頂いたが、今思うとそのファミコンも一種の社会勉強であったのだ。当時は大企業も中小企業も、ビッグビジネスのチャンスになりうるゲーム開発を「我も我も」と行っていた。だからこそ様々な規模の企業を知ることができ、様々なタイプの経営戦略を学ぶことができたのだ。

しかしここ数年、状況は変化してきている。ファミコンの時代に活躍したゲーム会社は倒産が相次ぎ、ゲーム産業からの撤退や企業間の合併・吸収が後を絶たない。背景には不況ももちろんあるが、「向上するハード(ゲーム機)の性能」と「ハードの多様化」が存在している。中小企業は、ハイレベルなグラフィックが当たり前になっていく時代についていけず、どんどん増えていくハードに対応できなくなっているのだ。最近では大手の合併も多くなり、有名どころでは2003年、ともに大手であるスクウェアとエニックスが合併。合併したスクウェア・エニックスが今年さらに老舗のタイトーを買収するらしい。さらにはバンダイとナムコが9月に経営統合するほか、タカラとトミーも来春に合併するなど、ゲーム業界の再編はどんどん加速している。ゲーム業界は「大手」だけになってしまうのではないか、とまで言われている。

この懸念は、どうやらこのままでは実現してしまいそうだ。大企業から中小企業まで、様々な企業の業界戦略を見ることができた時代は、すでにもう終わりを迎えている。もちろんゲーム産業で最も大切なのは「おもしろいゲームをつくること」。それは昔も今も変わらないのだが、何か淋しさを感じるのは私だけだろうか。小企業が大ヒットゲームソフトを制作し、一攫千金を手にする姿を、今の小学生は決して見ることができない。20年前に見てきた企業が、揃って仲良く企業名を合体させる姿なんて・・・私はあまり見たくない。
  

2005-08.24 Wed今からでも楽しめる!2005年のプロ野球[スポーツ]

Time[08:26] Comment[4] Trackback[0]
2005年のプロ野球もそろそろ終盤戦。今年は巨人戦の視聴率低下をはじめ、様々な問題が日本のプロ野球界に提起されてきました。70年を超える日本プロ野球の歴史の中でも、ここ数年の状況は決して良くありません。しかし今はストーブリーグでも何でもなく、ペナントレースの真っ最中です。諸問題の解決策を考えるのも良いですが、ここは一つ、現在行われているプロ野球を純粋に楽しもうじゃありませんか!ペナントレースもプレーオフも、日本シリーズも、アジアシリーズも、個人タイトル争いも、ドラフトも、さらにはシーズンオフまでも、なんだかんだ言って見どころは十分にあります。今年プロ野球に注目していなかった人たち!今からでも遅くありません!ぜひとも今年のプロ野球に注目して、どんどん試合を盛り上げていきましょう!


●青木宣親はイチローを超えるか!?
長い長い日本プロ野球の歴史の中で、1年間に最も多くのヒットを打った選手は誰でしょう?恐らくこれには多くの人が簡単に答えることができるでしょうね。もちろん、あのイチロー選手。今から11年前、弱冠20歳の若者が、半世紀を超える日本プロ野球の歴史で誰も踏み入れたことのない「シーズン200安打」という未知の領域に足を踏み入れたことは、ファンに大きな感動と衝撃を与えました。

そして今年、その未知の領域に23歳の若者が挑戦しようとしています。ヤクルトスワローズの1番バッター・青木宣親外野手。8月23日現在、ヒット数は両リーグトップの151本。このペースでいくと、シーズン終了時点で207本になります。少しでも今からペースを上げることができれば、あのイチローの打ち立てた記録を塗り替えることができるんです。

ホームランはあまり打ちませんが、鋭いライナーを放つバットコントロールと俊足が魅力。プロに入ってまだ2年目ということで、初々しさもあり、常に一生懸命なプレーが光っています。そういえばあの頃のイチローも、今のように風格もなく、初々しさが光っていたなあ・・・。そんなことを思わせてくれる青木選手。果たしてイチローの210本を超えることができるのか?スーパースターの資質を持つ彼に、さあ注目です!伝説の瞬間を見逃すな!


●千葉ロッテの優勝で幕張は大フィーバー!?
日本のプロ野球12球団のうち、最も優勝から遠ざかっているチームってどこか分かりますか?もちろん今年から参入した楽天は除きます。数年前なら「阪神!」と即答する人が多かったのでしょうが、実は当時から阪神より優勝から遠ざかっていたチームが存在していたんです。答えは千葉ロッテ・マリーンズ。何と、31年間も優勝していません。31年前に産まれた赤ちゃんが、今はもう31歳です。当たり前ですが。「弱いプロ野球チーム」の代名詞として君臨して数十年。ようやく今年、優勝できるチャンスが訪れています。

千葉ロッテと言えば、何と言っても応援が凄い!普通の球団ならメガホンと太鼓でドンドンと音を鳴らすスタイルなんですが、ロッテファンの応援は声が主体。見事なまでに統率の取れた応援は12球団随一です。球場全体がロッテ色に包まれ、まるでJリーグの熱狂的サポーターのよう。熱狂ぶりも凄まじく、あの阪神ファンより凄いと言う選手もいるほどです。

今年のロッテはピッチャー、バッターともに素晴らしい選手が揃っており、バレンタイン監督の指揮のもと、開幕から首位を独走していました。現在はソフトバンクに抜かれて2位ですが、パリーグにはプレーオフという制度があります。プレーオフというのは、ペナントレース終了後、上位3チームでトーナメント戦を行い、そこで勝ったチームを真の優勝とする制度。ということは、2位のチームにも3位のチームにも優勝するチャンスがあるってことです。もしこのプレーオフを制し、千葉ロッテが31年ぶりに優勝したら・・・。スタジアムのある幕張では大大大フィーバーが巻き起こるでしょう。花見川に飛び込むなんてファンも・・・いるかもしれませんね。


●藤川球児の歴史に残るストレートを見よ!
現在の日本プロ野球で、最も打ちにくい球を投げるピッチャーは誰か?そんな問いに、多くの解説者やファンはこの投手の名前を挙げるでしょう。阪神タイガースの中継ぎエース・藤川球児投手25歳。昨年まで目立った活躍はなく、彼本人もいつクビになるかとヒヤヒヤしていたらしいです。そんな状況で迎えた今年、フォームの安定により(?)彼の球は突然変異のようにうなりを上げました。解説者が揃って口にする“糸を引くような”ストレートは、来ると分かっていてもバットに当たらない快速球。161kmを出したあのクルーン(横浜)のストレートよりもはるかにキレがあり、バッタバッタとおもしろいように三振を奪っています。往年の名投手・江川卓、江夏豊、尾崎行雄に匹敵する球とまで言われ、あの松坂大輔投手(西武)や上原浩治投手(巨人)も一目置いています。特に外角低めにズバッと決まるストレートは、素人目で見ても驚異的。ため息すら出ます。

球だけでなく、タフさも彼の売り。彼が投げた試合数はチーム114試合消化時点でなんと64試合。2試合に1回以上は投げていることになります。日本プロ野球の1シーズンでの最多登板数は「神様、仏様、稲尾様」と言われた鉄腕・稲尾和久の78試合。このままのペースでいくと、藤川投手はその日本記録を44年ぶりに更新することになります。

歴史に残る彼のストレートを、2試合に1回も見ることができるなんて、阪神の試合はなんて魅力的なのでしょう。ただ、来年も彼が同じような球を投げられるかどうかは、今までの実績が少ないだけに不明です。そういう意味でもぜひ今年、彼の凄まじいストレートに注目すべきです!


●アジア最強を決める「アジアシリーズ」が初開催!
アジアで最も強いプロ野球チームはどこなのか?そんな疑問を抱く人は・・・あまりいないでしょう。しかし!プロ野球が盛んな日本、韓国、台湾に中国を加えた四ヶ国のそれぞれのチャンピオンチームが戦い合って「アジア最強チーム」を決めるという、かつてないシリーズは国全体で盛り上がること間違いなし!これにより、ペナントレースや日本シリーズも今まで以上に盛り上がるでしょう。日本シリーズで優勝しても、アジアシリーズで敗れた時点でそのチームは“敗者”です。日本一のチームなのに、次の年は「打倒!サムソンライオンズ!」などの目標を掲げる“挑戦者”になります。日本シリーズ優勝さえも「通過点」であるチームもあれば、ペナントレース優勝が大目標のチームもいるようになるでしょう。なかなかおもしろい構図ですよ。

今年に関して言えば千葉ロッテが日本一になるとおもしろい。ロッテには韓国のスーパースター・李(イ・スンヨプ)選手が在籍しています。アジアリーグはそれぞれの対戦でホーム・アウェイで試合を行うので、韓国戦で李選手の凱旋試合が実現します。李選手は韓国プロ野球時代に56本のホームランを放ち、王貞治が打ち立てたシーズン55本のアジアホームラン記録を塗り替えたすごい選手。アジアシリーズに出場することになったら、一挙にその舞台の主役に躍り出ることになるでしょうね。

あとは阪神タイガースが出場して、甲子園が一面阪神ファンになるシーンも見てみたい(今でも十分なってますが)。各国の選手はビビるでしょうね。あんな応援、他の国にはないですから。いずれにしても、今年から始まるこの「アジアリーグ」は見どころ満載!国の代表を決める日本シリーズからもう目が離せない!


他にもまだ
●注目のあの投手は!?ドラフト会議に注目!
●星野巨人?野村楽天?古田ヤクルト?オフに激動が起こる!

などなど、見どころが満載です。長くなりそうなので続きは後日にしますが、なんだかんだ言っても2005年のプロ野球は熱いんです!プロ野球の未来を議論するのも良いですが、まずは目の前の試合をどんどん盛り上げようじゃありませんか!野球ファンをやめた人も、野球なんて知らない人も、今からでも遅くありません!
さあ、球場に行こう!テレビを見よう!話をしよう!
  

2005-08.19 Fri自動販売機と商売魂[世の中]

Time[11:27] Comment[10] Trackback[0]
「商売」とはいったい何だろう。辞書で調べるとそこには「利益をあげる目的で物を売り買いすること」とある。これだけ見れば、あくまでも自己の利益だけが大切であるように思えてしまうのだが、「商売」の本質はそうではない。「平成の再建請負人」の異名を持つ高塚猛氏は、著書「商売魂」で次のように述べている。

商売とは「勝売」であり、相手にメリットを与えることである。
客は「理屈」ではなく「情」でモノを買う。


言ってみれば「商売」はお客様あってのものであり、その意識が売り手に表れているかどうかが買い手にとっては重要なのである。その商品自体にお客様への心がこもっているか。心がこもっていれば自ずとその商品の質は上がるはずだ。もちろん、商品そのものだけでなく、接客態度や各種サービスも商品のひとつ。心を込めた接客が望ましいのは言うまでもない。

それはどんな商売形式に対しても言えること。“無人”である自動販売機でも同じである。自動販売機は世の中に腐るほどあり、1日に何千万人もの人が利用する「巨大産業」。当然、サービスや接客も高レベルなものでなければならない。しかしこの自動販売機(特に飲み物)からは、高塚氏の言う「商売とは」がどうしても見つからない。怒りが込み上げるほどの“やっつけ仕事”なのである。自販機から「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などという言葉を期待しているわけではない。自動販売機の構造自体に、「客への心」が見えないのだ。

1)取り出し口の位置が下すぎる
なぜあんなに下にあるのか。自転車に乗っている人、高齢者、体調の悪い人、ケガをしている人、誰が買うにしても取りにくい。立っている人はいちいち膝を曲げて座る必要があり、座らないまでも、腰を曲げて中腰にならないと取ることができない。なかなか体に負担のかかる体勢である。高齢者や体調の悪い人はこれだけで大仕事。購入することがかなりしんどいと感じる人もいるだろう。商品を受け渡すまでが「商売」なのだから、もっと客のことを考えて作るべきだ。このままでは一部の悪徳商売の「カネさえもらえばこっちのモン」的な姿勢と同じである。あの位置で取りやすいのは子どもだけ。子どもは成長する生き物だから、取り出し口の位置をもう少し上げても、子どもには何の不便にもならないはずだ。最も良いのは上部、中部、下部にそれぞれ取り出し口を設け、利用者がボタンでどこから商品が出てくるのか選べるようなシステム。快く商品を買ってもらうためなら、これくらいのことはすべきだろう。ただ、まずは自販機についている大きな広告をなんとかしてほしい。広告があの位置にあるから取り出し口を下に持って来さざるを得ないのだ。結局はテメエの宣伝のために客が被害を受けている状況。「商売」はお客様あってもの。そこをもっと企業は考えるべきだ。

2)取り出し口の構造が不親切
悪意すら感じる構造だ。かなり横長の形状になっているので、もしジュースが縦になって落ちてきた場合、取り出す前にまず中でその缶やペットボトルを横に寝かせてやらなければ取り出せない。これはなぜなのだろう。意味が分からない。しかも、なぜか取り出し口の中には中ブタのようなものが敷いてあり、購入した際、その中ブタのせいでどこからジュースが出てきているのか(右端なのか左端なのか)が分からなくなることが多い。その場合はもちろん勘で手を入れるのだが、間違える場合が多々ある。そのとき、思った以上の疲労が蓄積されることになるのだ。そして中には、取り出し口を内部で分けるような仕切り板のようなものまで付いているものもある。これも商品の取り出しを邪魔する悪魔と化している。まるで購入する我々をあざ笑うかのようなこの構造。「客への心」など感じられるわけがない。

3)お金を感知するセンサー(?)が低レベル
まずコイン投入口。100円玉を2枚入れてジュースを買おうとすると、かなりの確率で1枚が返却口に落ちてくる。もう一度チャレンジすると大抵ちゃんと入るのだが、この「意味不明な返却」が自動販売機にはかなり多い。客側はお金を払おうとしているのに、わざわざ返却するということは「カネはいらねー、もってけドロボー」的なことかと勘違いしてしまう。お札にしてもそう。千円札はまず一発では入らない。無機質な「ウイーン」という音とともにそのまま戻ってくる。「なに?お金いらんの?」とツッコみたくなる。私はこのように、払おうとしているお金をわざわざ戻すような行動を彼ら(自販機ども)が行った時、商売拒否と見なし、別の自販機に移動するよう心がけている。ちりも積もれば山となる。我々の行動が彼らを動かすのだ。さあ、みんなも実行しよう。

4)釣り銭返却口が小さい
カネをもらったら「ハイ、サヨナラ」かよ、と感じる小ささだ。女性や子どもはもしかしたら問題なく取れるのかもしれないが、あの大きさでは片手でお釣りを取ることができないのである。片手で取ろうとすると指の第二関節部分が返却口の天井に当たり、引っかかって手を出せないのだ。片手で小銭を下に滑らせ、滑り落とした小銭をもう一つの手でキャッチさせなければならない。無理矢理片手で出そうとすると小銭を落としてしまう恐れがある。挙げ句の果てには自販機の下にまで小銭が転がり込み、惨めなスタイルでの救出作業に入らなければならない。涙が出てしまうほど面倒くさい。お釣りの渡し方は接客の基本だ。このサイズの返却口には「やさしさ」が全く感じられない。「あわよくばお釣りを取るのをあきらめろ」みたいな考えがあるのだろうか。いや、さすがにそんなことはないか。

5)商品の出し方が荒っぽい
「ゴトン!」という音とともに商品が落ちてくる。もっとやさしく丁寧に出せないものなのか。缶やペットボトルは少しで傷ついてしまうものではないが、それでも商品であることに変わりはない。人と人の接客で言えば、商品を客に投げつけているのと同じである。それを不愉快と思わない人間は存在しないだろう。もちろん、これは機械なのである程度は仕方ないことなのだが、もう少しやさしく出すようにするくらいできるはずだ。客は「理屈」ではなく「情」でモノを買う。細かいことかもしれないが、その細かさが「商売」には重要なのだ。


数え上げればきりがないが、一貫して自動販売機は、高塚氏の言う「商売」を実践していない。「機械だから」で済まされるのは、もしかしたら今だけかもしれない。近い将来、人間の生活に機械やロボットがより密着したとき、その機械が今の自動販売機のように無機質なものばかりだったら、人間が生活で「心」を感じられる瞬間は少なからず減ってしまう。「心」を感じさせる機械が、その時代には必要なのである。そのためには、高塚氏の言う「商売魂」を機械にも持たせてやるべきではないだろうか。
  

2005-08.16 Tue私的音楽特選4(奥田民生編)[音楽]

Time[14:08] Comment[1] Trackback[0]
674(奥田民生)
高校生のとき、この歌詞に衝撃を受けました。確か寝る時はいつもこの曲を聴いてた気がします。なんて暗い高校生だったのでしょう。クラブ活動や受験、友達付き合いや恋愛など、自分を取り巻くすべての要素を「どうでもええわ」と思わせてくれました。歌詞の内容は完全にマイナス。アコースティックギターと木魚だけの演奏をバックに「ああいっそ 地球も 大予言どおりに」「ああいっそ このまま 心臓も 動くな」などと自殺願望のような歌詞を並べ、ダラダラとお経のようなメロディーで唄っています。どう考えても元気をなくさせる曲調なんですが、僕にとっては気分を落ち着かせる曲の一つでした。僕は嫌なことがあるといつも、「まあ、死ぬよりマシや」と思うようにしているのですが、その原点はこの曲にあるのかもしれません。死んでしまいたいくらいの虚しさを唄った歌だからこそ、逆にいろんな嫌なことを「死ぬよりマシや」と思わせてくれたのかでしょう。

コーヒー(奥田民生)
意外に売れなかった曲。シングル曲ではこれが一番好きです。歌詞もメロディーも、民生らしいダラダラした感じがよく出ています。舞台は雨の日。僕は昔から、雨の日に室内でじっと過ごすことを快適に感じていました。なんか、妙に落ち着くんです。雨の日の外出が心から嫌いだったせいかもしれません。休みの日に家でダラダラするのはあまり好きではないんですが、これを聴くと「まあ1日くらいえっか」という気分になります。ダラダラした曲調の中にも激しい部分があり、それが「ひたすら降る雨」の雰囲気を見事に演出しています。民生氏はコーヒーを飲まないらしいのですが、コーヒーで休憩することに微かな憧れでもあったのでしょうか。これが「紅茶」だったら間違いなく雰囲気に合わなかったですね。

カヌー(奥田民生)
エロというか何というか・・・。歌詞をフツーに眺めると、爽やかな冒険の歌って感じに思えますが、読めば読むほど深い意味を発見することができます。「マーマレード色した二人のプールは ホームメイドバターの青い味がした」「謳歌してほしいな 僕のコントローラーを」「揺れながら下の方の名前 呼んでおくれ」・・・。考えれば考えるほど様々な妄想がふくらんできます。まあ、エロとは言ってみても、男と女のロマンですから、不謹慎でも何でもないと思います。エロソングというよりも、セックスソング。真の愛の歌ですね。最後は「私の舟の名前 オリエンタルカヌーをその中へ 呼んでおくれ」と歌っておられます。男と女が愛し合う行為なんてのは、カヌーでの航海のようなもの。女性という大海原へ、小さなカヌーを漕ぎ出す冒険のようなもの。いや〜、神秘的やね。子どもにはこんな感じで性教育すべきですね。

リー!リー!リー!(奥田民生)
ビートルズを完全に意識したアレンジですね。民生氏の歌では珍しい、全編英語の歌詞。・・・と思いきや、良く聴けば全編日本語の歌詞でもあります。「I know duck you scroll on day luck you」→「あの打球すっころんで落球」など、これは全編当て字英語の歌。「何じゃこの曲?」と誰もが思うでしょうね。「和洋折衷ソング」とでも言っておきましょうか。「試合は明日で」と言うのを「see eye were yesterday」と歌っているのは笑えました。「明日」を「昨日」と言っているわけですから。この変な歌詞のせいでそっちばかりが注目されますが、草野球の歌というものがかなり僕にはヒットしました。「ところで皆仕事はいいんですかい」って、草野球ばっかしているオヤジに対して、僕が昔から思っていたことです。その他にも、草野球ののんびりさや楽しさが存分に詰まった曲です。和洋折衷しなくても、十分素晴らしい曲だと思います。
  

2005-08.09 Tue僕は白票です。[世の中]

Time[09:31] Comment[4] Trackback[1]
いや〜、国会劇場が混乱してきましたね。
僕個人的には小泉さんに頑張ってもらいたい。少し人ごとのような視点かもしれませんが、こんな破天荒な総理はいないですよ。総理大臣はこれくらい自己を貫く方がいいと思います。恐らく、政治家の誰もがこの解散・総選挙には納得していないでしょうね。野党が「ラッキー!」って思っているくらいです。衆議院で可決しているのに、なんで解散せにゃならんのか?そう思う政治家がほとんどでしょう。でも小泉さんにはそんなこと関係ない。否決されたのが参議院だろうが衆議院だろうが、国民投票という手段を選べるんであれば何でもするってことですよ。郵政民営化のことしか考えてないんです。めちゃめちゃわかりやすい総理じゃないですか。

もちろん、「郵政民営化よりもやるべきことがある」という意見も多いでしょう。それは僕も多少思います。郵政民営化に少しこだわりすぎてる気はずっと前からしていました。でも「そこまで言うんやったら信じてみようかな」と思うこともあります。もともと僕は郵政民営化には賛成でしたから。簡単に言えば、公務員を減らさないと日本はダメなんです。お金の流れを変えないと。よく「地方の郵便局はどうなるんだ」とか言う人がいますが、ちょっと論点がずれている気がしますね。確かにそれも考えないといけませんが、それとこれとは別です。それをメインに反対することは少し違うと思います。

参議院で否決された今、むちゃくちゃと言われてもいいから国民の声を聞くしかないんですよ。法案にこだわるならそれしかない。だから解散・総選挙は“ある意味”で仕方ないことだと思います。参議院は解散できないんですから。国民の意見を聞くためなら、彼は可決された衆議院でも解散します。ルール破りと言う人もいますが、僕はルールを破っているわけではないと思います。道理を無視してるだけなんです。総理大臣にまでなって、道理を無視して法案にこだわり続ける。こんな決断ができる総理は今までにないでしょう。でも、総理大臣でないとこの行動はできません。あっぱれじゃないですか。小泉さんは最後の最後で、「総理大臣の特権を使って、法案を通すために手段を選ばない」ことを実践しているんです。むちゃくちゃですが、僕は好きです。個人的な意見ですけど。

この総選挙で国民が郵政民営化法案に「Yes」と答えたとしたら、造反した自民党の参議院議員の意見も変わるかもしれません。なぜなら、多くの議員の焦点はもはや郵政民営化法案そのものではなく、派閥であったり小泉首相の姿勢であったり、政局に焦点を当てていたからです。参議院で否決されたのは、この辺の戦略を小泉さんが失敗したからだと思います。しかしその反面、だからこそ逆転の可能性も残されているのも事実です。例え衆議院総選挙でも、国民投票で「Yes」となれば、参議院としての結果も変わってくるかもしれません。今回はそれを睨んだ解散・総選挙でしょう。

この分裂選挙で自民党が勝つか負けるかは、今後の動きによるでしょうね。郵政民営化自体に焦点を当て、この法案がどれだけ素晴らしい法案なのか、国民に伝えることが必要だと思います。しょうもない政局のことなんかどうでもいいんです。この法案が良いか悪いか、それだけです。個人的には郵政を民営化してほしい。だから小泉さんには頑張ってもらいたい。そして潔く退陣してほしい。

最後に言わせてもらうと、鶴保議員みたいに中途半端な結論を下すのは絶対にやめてほしい。参議院議員だからってそんな行為が許されるとは思いません。様々な諸事情があったのでしょうが、そんなことは関係ないことです。もし彼が衆議院議員だったら、今から自分の意見をまとめて選挙に向かわなければならないんです。「限りなく反対に近い賛成」なんて意味不明ですよ。白票を投じたんなら「民営化に賛成です」ときっぱり言わないと。採決の基準を間違えていますね。こんな議員はかなりの数に上るはずです。いや〜、しょぼいよ。
  

2005-08.08 Monプレーの本質に迫る番組づくりを![スポーツ]

Time[11:58] Comment[6] Trackback[1]
今年はスポーツの世界大会が盛んですね。ワールドバレー、世界水泳、世界陸上、そして世界柔道。テレビでその放映を見ていると、各テレビ局はさまざまな方法で番組を盛り上げており、視聴率獲得への執念が伝わってきます。スポーツにあまり関心のない人も取り込んでいこうという思いからか、キャスターとして俳優やお笑いタレント、アイドルを起用してみたり、試合前にジャニーズに歌を歌わせたり、各選手にしょうもないキャッチフレーズを付けたりしています。それらはどれもプレーとは直接関係のないものが多く、そのスポーツの本質的なファンを取り込むよりも、本質とは別の理由で放送を見てもらうことを目的としているような気がします。全てが安易。ナメてんのかと言いたい。

特に気になるのが、各選手に付けられたキャッチフレーズ。はっきり言ってセンスが全くない。こんなことならキャッチフレーズなんて無い方がマシです。キャッチフレーズというものは、そのスポーツをあまり知らない人でも、選手のこと(プレースタイルや得意技)を簡単に知ることができるためのものであるべきです。そしてそのキャッチフレーズをきっかけに、ファンはそのスポーツの本質を知ろうという気持ちになっていくものであるべきなんです。しかしどのテレビ局も、意味不明の言葉であったり、ビジュアルのことを説明した言葉であったり、その選手のプレーの本質に迫るキャッチフレーズではないものばかり付けています。

例えばワールドバレー。宝来眞紀子のキャッチフレーズは「ジャパニーズ・ハイタワー」で、吉澤智恵は「若きフライングアーティスト」、大友愛は「勝利を呼ぶワンダーガール」です。このキャッチフレーズだけを見て、3人がそれぞれどういうプレーをするのか、果たして分かるのでしょうか?宝来でわかることは「背ぇ高いんやろなー」ってことだけ。吉澤は「若いんやろなー」。大友「なんかわからんけどええ感じなんやろなー」ってこと。バレーの奥深さを知ろうとするきっかけには全くなりません。もっと彼女たちのプレースタイルを表現したフレーズにして、バレーの本質を伝えるようにしてほしい。例えば吉澤で言うと、「世界をあざ笑う技術!芸術のブロックアウトを見よ!」みたいな。大友は「勝負のカギをにぎる諸刃の剣」とかね。

結局、テレビ局は「ニックネームの名付け親」になりたいだけなんですよ。番長(清原和博)とかジャンボ(尾崎将司)みたいに、名選手が生涯呼ばれ続けるニックネームを名付けた張本人になりたいんです。自己満足に近いですね。為末大選手の「ラストサムライ」なんてめちゃくちゃです。こんなん定着するわけないです。恐らくテレビ局の人間は、「1つでも定着すればいい」と思っているんでしょうね。特徴のない選手のフレーズなんてひどいもんです。女子マラソン大島めぐみの「天才肌の姉さん女房」なんて、ナメてるとしか言いようがない。男子100m200mのアサファ・パウエル(ジャマイカ)は「短距離界のパウエル長官」。悲しくて言葉が出ない。

キャッチフレーズに限らず、アナウンサーの発言や選手の取り上げ方など、さまざまな部分で同じようなことを感じます。「このスポーツに興味がなくてもいいから、何でもいいから見てくれ」っていう意識。選手をアイドル・タレント化することによって、ビジュアルや雰囲気だけでもそのスポーツを楽しめるようにしているんです。考え方によっては、それも一つのファン獲得の手段なのかもしれません。しかしそれでは、そのスポーツの本質を知るファンは減り、ワーキャー試合を見るだけの軽いファンだらけになります。そのようなファンは、華やかな選手が少なくなったらすぐに離れてしまいますよ。結局、「その時期だけのファン」が多くなるんです。スポーツの本質に迫れるような番組作りをすれば、もっと本質的なファンが増え、そのスポーツの発展にもつながるのに、テレビ局は目先の視聴率にこだわってしまっているんです。これは非常にもったいない。

いま日本ではサッカーくらいじゃないですか、ある程度本質的な放送をしているのは。サッカーの選手にはしょうもないキャッチフレーズなんて付かないでしょう。それは本質的なファンが多いからです。アホを引きつけるためのキャッチフレーズなんて、サッカーには必要ない。ファンのレベルが高いんですよ。だからファンが簡単に離れていくこともなく、野球を超えるほどの人気スポーツになっているんです。軽〜い番組作りをしている時点で、バレーも水泳も陸上も柔道も、やっぱりマイナー止まりなんです。歯がゆいですね。テレビ局はもっと考えないと。「視聴率が全てのテレビ社会」がなくならない限り、このような番組づくりは続いていくでしょうね。

逆に大相撲中継は、ある意味このワールドバレーのような番組づくりを参考にしなければならない。現在NHKが独占的に放映していますけど、そろそろ民放にその権利を譲ってはどうでしょう。大相撲は危機ですから。プロスポーツにあるまじき現状ですよ。本質的ファンとか言ってられません。一度、世界水泳のような感じで中継して、何でもいいから国民の目を向けさせないと。そうなると昔からのファンからは反論も出るでしょうけどね。
  

2005-08.03 Wed勝手に映画批評6[映画]

Time[07:29] Comment[4] Trackback[1]
【涙女】 7点
アリです。こんなん好きです。
なんか、女性の強さやしたたかさ、寂しさ、生命力の強さが伝わってきました。この「哭き女」という儀式が中国にあったとは知らなかった。日本では考えられない儀式ですね。日本でやったら絶対に「不謹慎だ!」って言われます。簡単に言えば葬儀の席に「ちんどんや」がいるみたいな感じですね。

主人公のグイにはかなり人間味を感じました。生きるためなら手段を選ばず、自由奔放。男に媚びることなく我を貫いたり、子どもにも厳しい一面をみせつつも実は優しかったり。強がってる反面、寂しがりやでもあったり。終盤になるにつれ、彼女の持つ魅力にどんどん惹かれていきました。リャオ・チンの演技力があってこそなんでしょうね。

この映画は中国を舞台にした映画なんですが、その中国では検閲の関係で公開できないらしい。「社会主義を奨励する作品ではない」ということが理由みたいです。カナダ、フランス、韓国の合作ということになっているのもそのせい。なんか、中国らしいなあと思います。

【ブリジット・ジョーンズの日記】 4点
う〜ん、ただのベタなラブコメって感じ。
完全に同年代の独身女性をターゲットにしてるんでしょうね。僕は特に感じるものもなく、ボーっと観てるだけでした。1時間半だから良かったものの、2時間以上あれば早送りしてたかもしれません。フツーでした。

主人公のレニー・ゼルウィガーは「シカゴ」のときとは別人ですね。キャスト・アウェイでのトム・ハンクスでもそう思いましたが、海外俳優のこの辺の「役作り」はさすが。プロ意識を感じますね。日本の役者でこんな仕事ができる人は限られてくるでしょう。女優が頭丸めただけで「これぞプロ!」なんて言われますが、上には上がいるんですよ。もっと仕事に徹しさせないと。これは本人よりも事務所やプロダクションに言いたい。

この映画で思ったことは、アメリカ人ってみんなこんな感じで恋愛するんだろうか?ってこと。昔、「ビバリーヒルズ青春白書」っていうアメリカのドラマが流行りましたが、仲間同士で入り乱れて恋愛しまくりなんですよ。誰が誰の“兄弟”かがわからなくなるくらい。この映画でも、ちょっとしたことですぐ恋愛になったと思えば、ちょっとしたことですぐ嫌いになってしまう。なんか、軽いんですよ。恋愛が。たまたまなんですかね。

あと、ヒュー・グラントとコリン・ファースがケンカするシーンがめっちゃショボくて笑ってしまいました。

【けものがれ、俺らの猿と】 4点
・・・ちょっと不可解すぎます。
芸術性を高めるためなのか、シュールでキレてる感じを出しすぎた気がします。町田康氏の描く世界は、いつもこういう独特のキレた世界があるらしいですね。多少だったら僕も好きなんですが、行き過ぎるとダメです。この手の映画は「作品の素晴らしさ」というものを完全に客に委ねて、責任をなすりつけてるように感じます。「わかる人はわかる」「おもしろく感じないのはその客のセンスが悪い」みたいな。正直僕はこの映画を素晴らしいとは思いません。町田氏の小説は読んだことないのでわかりませんが、とりあえずこの映画に関してはそう思います。

ただ、永瀬正敏が最初の目的からどんどん離れていってしまう流れは好きです。映画の脚本を作らなきゃいけないのに、なぜか最後は喫茶店で料理を作ってる。最初の目的からどんどん逸れていって「おれ、何やってるんやろ?」って思うことは、生活の中でよくあります。そこには共感できましたね。

【GO! GO! GO!/ゴー・ゴー・ゴー】 5点
エルヴィス・プレスリーがめっちゃカッコイイ・・・。
ただそれだけの映画でした。

【暗い日曜日】 9点
素晴らしい。好みです。
これは戦争やユダヤ人差別が背景にある映画なのですが、基本的にはメロドラマ映画。これは監督の狙いでもあって、戦争などの知識がない人でも気軽に見られるようにする意図があったそうです。まずこれが良かった。2対1の奇妙なラブストーリー。でもあまりドロドロしてなくて、ホンマにそれぞれが愛し合ってるんやなーと感じました。この映画ではそれぞれの難しい心境をうまく描写していたと思います。こんな恋愛、ホンマにあるんやろか。あるとしたら全く理解でけへん。

最後はまるで「火曜サスペンス劇場」みたいでした。僕、こんなん大好きなんですよ。「あっ!」と思わせる感じで、それでいて少し爽快な感じで・・・。少しため息をついてしまいました。昔、「振り返れば奴がいる」っていうドラマがありましたが、あれをきっかけにあっと驚くラストシーンが好きになりました。あのドラマのラストは全く爽快ではありませんでしたが。

イロナ役のエリカ・マロージャンは妖艶ですねえ。めっちゃ美人。奪い合うのも解る気がします。最後に出てきた彼女の子は、一体誰が父親なんでしょう。該当者が3人もいるのでよくわかりません。もしハンスの子だとしたら・・・オモロイですね〜。