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2007-06.12 Tue勝手に映画批評16[映画]

Time[12:50] Comment[2] Trackback[12]
【300(スリーハンドレッド)】 4点
けっこう期待して観に行ったんですが、イマイチでした。まず言うと、ストーリーが薄い。一言で「300人と100万人が戦った」っていうだけの映画って感じ。それ以上でもなくそれ以下でもない、ただそれだけの映画。厳しい特訓によって産み出されたスパルタの戦士像や、何があっても撤退せず、何があっても降伏しないというスパルタをもっとストーリーに絡めて複雑に描いてほしかった。なんか戦い方もノーマルで、戦う姿勢も“やる気マンマンの戦士”っていう程度。スパルタだから起こりえる特別な展開が全くなかったんで、退屈な気分になりました。

古代の現実を描いたノリかと思いきや、敵キャラで妖怪のようなヤツらがたくさん登場してきて、どういう世界での出来事かわからなくなった。裏切り者になるヤツも人間離れしているし、魔法とかもありえる “何でもアリ”の世界のような気もして、映画に入っていけません。ボスキャラの男も古代の雰囲気がなく、統一感があまりなかった。僕としては完全に現実世界の古代として映画の雰囲気をつくってほしかったです。

映像が期待していたのと違ったところも残念でした。全体的に暗くて狭い雰囲気のシーンが多く、壮大でリアルな古代の風景はあまりありませんでした。ほとんどのシーンをCGで表現してるらしいのですが、そのせいもあったのでしょうか。個人的には『トロイ』のようなリアルで壮大な映画の雰囲気を期待していたのですが、全くそうではなかった。主人公夫婦のラブシーンを中途半端に長く入れたり、エンドロールを血だらけにしたり、よくわからないことが多々。ちょっと変わった監督なんですかね。よく知りませんが。

話は変わりますが、ラブシーンとかキスシーンとか、絶対に入れなきゃいけないもんなんですかね?ハリウッドの映画ってたいがい入ってるじゃないですか。それが無意味であっても、何かしら必ずそういうシーンが入っている。暗黙の掟でもあるんでしょうか。必要ないんだったら入れなきゃいいのに。いつもそう思います。効果のよく分からないしょうもないキスシーンを観るくらいだったら、きれいな風景でも見せてくれた方がマシです。

まあでも、ラストシーンとか闘いのシーンは悪くなかったし、興奮するシーンもありました。なので、駄作とまで言い切ってしまうほどの映画ではありません。ただ、必要以上に高評価されていることが不思議。やっぱストーリーが薄かったら映画はおもしろくないですね。


【バッテリー】 6点
個人的に好きなポイントを集めた映画だったので、なかなか楽しめました。原作をまったく読まずにこの映画を観たんですが、田舎の雰囲気、野球への情熱、友情、弟の病気、兄弟愛など、個人的に弱いシーンが満載で、序盤から涙がうるうる光ってました。弟・青波役の子役がかなり良い味を出していたと思います。

タイトルどおり、バッテリー間の信頼をテーマにした映画。これはこれで良かったとは思うんですが、個人的にはもっと青波にスポットを当てて、「病気の少年が野球をする」みたいなストーリーにしても良かったのではと思いました。現状のストーリーでは、青波の扱いが中途半端で、ただの盛り上げ役くらいにしか見えませんでした。

ちょっと大人たちを悪役のように扱いすぎていたことや、ライバルの中学生がどう見ても大人に見えたことは改善の余地あり。調べてみたら、20歳を超えた俳優に中学生役をさせてるんですね。そりゃやりすぎやわ。違和感たっぷり。さらに、その彼が言う「こいつの球を打つために、高校には行かん!」みたいなセリフなんて、どう考えてもむちゃくちゃ。まあ、勢いで無茶なセリフ言うところが逆に中学生っぽくてリアルっちゃあリアルやねんけど。

忙しい社会での生活に疲れていて、しかも野球とか田舎の風景とかが好きな人なら、ボーと見ると癒されるんではないでしょうか。あまり気合いを入れず、期待もせず雰囲気を楽しみましょう。それがこの映画を観るポイント。個人的に好きなポイントの多い映画だったので、ちょっと甘い採点になっちゃいました。
  

2007-06.05 Tue勝手に映画批評15[映画]

Time[19:46] Comment[5] Trackback[13]
【大日本人】 8点
意外・・・と言ったら失礼ですが、おもしろかった。見終わった感想としては、「めっちゃ笑ったわ〜」ってことと「これ、果たして映画か?」っていうこと。ただ、映画というものは、必ずしも「こうでなくてはならない」という決まりがあるわけではなく、多くの作品に見られる傾向があくまでも“映画の標準”であるような気がしているだけだと思うので、その部分に文句はありません。

基本的なテイストとしては松っちゃんのコントDVD『VISUALBUM』のような感じ。あまり内容を書くとこれから観る人が楽しめないので伏せておくけど、“松本人志テイスト”がプンプンしていて「あ〜、松っちゃんホンマこういうの好きやな〜」って思う部分が随所に存在しています。インタビュアーの“なあなあ”のノリとか、ヒーローに対する世間の扱いとか、彼の“マゾ的”な笑いのツボが詰まっています。松本人志の笑いが好きな人であれば、ほぼ間違いなく楽しめるでしょう。

終盤は『ごっつええ感じ』的なノリが急に始まって、彼の言う「映画を壊す」という言葉通り、ムチャクチャな展開。“映画の標準”を大切にしたい人であれば、意味不明な内容で怒りすら込み上げてくるような展開でしょう。個人的には大笑いしたから満足でしたが、間違いなく賛否両論あるでしょうね。でも初作品でここまでムチャクチャできたのは、やはり彼が松本人志だったからでしょう。

一部で言われている「この映画は児童虐待や介護問題、動物愛護問題などの社会風刺がたくさん入っている」という意見ですが、シーンひとつひとつ振り返ってみればそうとも思いますが、観ていて強くそう感じることは特にありませんでした。この部分に関しては、ちょっと彼を持ち上げすぎでは?と思います。「天才」と言われている人だと、細かいところを取り上げてそういう意見を言う人もいるんですかね。彼自身も「たまたま」と言っていますし、そんなに社会風刺を込めた映画だとは思いません。

あと、出演者の演技がなかなか自然で良かった。エキストラ(?)のおっさんたちも含めて。撮影する雰囲気づくりが上手かったんでしょうね。ただ、松っちゃん自身の演技がイマイチだったことが残念。関西弁の彼がむりやり標準語を使っているので、終始ぎこちない演技にみえました。観てる側が「松っちゃんの演技」として観ているので、さらにぎこちなく見えたんでしょう。世の中の松本人志に対するイメージは完全に出来上がってしまっているので、役者・松本人志はかなりハードルが高いですね。相当な演技力がない限り、ぎこちなさを感じると思います。

正直、この映画はカンヌでウケるとは思えません。酷評されることがあったのも十分うなづけます。松本人志のツボが好きな人でなければ、意味不明ってこともあるでしょう。事実、僕の隣にいたカップルは「わからん、わからん!」を連呼していました。でも、やっぱ劇場で見ておくべき作品だと思いますよ。


【監督・ばんざい!】 5点
「世界のキタノ」だから許される、映画で遊びまくった作品。北野武の代表作には決してならないだろうけど、「こんな映画があってもいいのかも」とい思えた映画。気合いを入れて観に行くような映画では全くなく、2〜3年後には「そんな作品あったなあ〜」と思うくらいの、まあそんな感じの内容でした。

前半の、あらゆるジャンルの映画をオムニバス形式で見せるパターンは個人的に好きでした。でも、こういうのを続けていくのかと思いきや、後半はどうもよくわからないテーマの作品を長々と続けていたので、ちょっと退屈に感じました。どうせなら前半のようなノリで終わりまで続けていってもらった方が良かったかも。

松本人志の『大日本人』と同様、この映画も「映画を壊す」作品だったように思えます。ただ、こっちはちょっと不発って感じ。ビートたけしの笑いは詰まっていたけど、映画自体の芯となるものがあまり見えずダラダラしていて、あまりついていけなかった。良い意味でも悪い言い見でも「悪ふざけ」したような映画だったように思えます。

それぞれのオムニバス作品での内容は、「さすが北野武!」という部分も多くありました。貧乏な子どもが出てくる人間味ある物語や、忍者映画での迫力あるシーンなど、それぞれで彼の持ち味のようなものが出ていました。だからこそ、そのノリで最後まで進めていってほしかった。後半のダラダラ感は狙いだったのかもしれないが、個人的にはあんまり。なんかもったいない映画のように思えたのは僕だけでしょうか。1800円払うほどの映画かと言われれば、払うほどではないと答えてしまう映画です。