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わが家のフェレットは副腎疾患という病気が原因で亡くなった。厳密に言うと、副腎腫瘍のある片方の腎臓を摘出したあと、ホルモンのバランスが崩れ、腎臓機能が低下。食欲が亡くなり、栄養失調でそのまま亡くなった。ここ数ヶ月間は腎機能を表す数値とにらめっこする状態が続いていた。できることなら、機能する腎臓と取り替えてほしかった。叶わぬ願いだったろうが、そんな心境になるのも飼い主としては当然だろう。

視点を患者もしくはその家族にして考えてみると、動物だろうが人間だろうが、病を患っている臓器はどんな手を使ってでも交換してほしい。そう思うものだ。今年、愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で、臓器売買による腎臓移植手術が行われた。手術を受けた宇和島市の水産会社役員山下鈴夫容疑者(59)は腎臓の病気で移植を希望していたが、日本では生きている人からの臓器提供は親兄弟・親戚に限られており、かといって脳死からの移植なんてそんな簡単にできる状況じゃない。そこで、山下容疑者は内縁の妻である松下知子容疑者(59)。から知人の女性を紹介してもらい、その女性に30万円と車を渡すことで「親戚だとウソをついて腎臓を移植してあげる」という約束を交わしたのである。

手術を担当した万波誠医師(66)は十分な身元確認をしないまま手術に踏み切っていた。この万波誠という人物はこういうテキトーな一面をもつ一方、一般的な医師に比べ、より患者視点で物事を考える男でもある。この臓器売買についても、「だまされることは防げない。移植の背後に何が行われているのかは分からない」と言い、自らの非を認めつつも、臓器売買はある意味仕方のないことであると主張した。それは、彼が移植を求めている患者の気持ちをより理解しているからこその言い分だと思う。もちろん、その発言・考え方が良いか悪いかは別にして。

この万波という医師は病気腎の移植を何度も行っており、現在問題になっている。がんにより摘出された腎臓を、がんを取り除いてから他人へ移植するというものだ。がんの腎臓とはいえ、腫瘍を取り除いてしまえば再発する可能性は低いという。「死体腎移植が期待できない現状では、私のように遺伝性疾患があり、親族から生体移植ができない患者は、ほかに命をつなぐ希望はない。再発の確率が2、3割なら喜んで移植を選ぶ」。と、ある患者は話していた。

先ほども書いたが、患者にしてみれば「生きるか死ぬか」がかかった問題であり、どんな手を使ってでも健康になりたいと思うのは当然である。万波医師は患者のそのような心境を理解し、「なんとかして助けてあげたい」という心から病気腎移植という行為に及んだのだろう。報道によるバッシングが続くなか、腎臓移植を受けた人らによって『万波医師支援の会』なるものが結成されるなど、彼は多くの患者からいまもなお感謝されている。だが、果たして医師は、患者が喜べばどんな手を使ってもよいのだろうか。

私も多少なりとも持病というものがあり、苦しい思いをすることもあった。どんな手を使ってでも健康になりたいという気持ちもよくわかる。しかし、それはあくまでも患者視点で考えたときだけあって、学会の倫理指針に規定のない「病気で摘出した臓器移植」を、患者の立場だけで考えて勝手に行うことは決して許されることではないと思う。もし、この病気腎移植が新たな道を開く希望の光だと思うのであったら、移植手術を行う前に、臓器移植法の改正に向けて真っ向勝負すべきではないか。改正にはかなりの時間を費やすことになるだろうし、目の前の患者を放っておくことの罪悪感も大きくなるだろうが、医師として行うべき行為の順番は守るべきではないかと思う。

社会に対して影響力のある「医師」という職業だからこそ、順番の違いが後に大事件に発展したりするものである。今回の問題が、取り返しのつかない大事件を巻き起こしていなかったことがまだ救いではあるが、人の命に関わる問題は起きてからでは遅すぎる。あくまでも目の前の患者の立場に立った万波医師はすばらしい人間であるとは思うが、彼は自分の立場ももう少し考えるべきだったのかもしれない。

2006.12.01 | 世の中 | トラックバック(2) | コメント(0) |












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腎臓移植の問題
腎臓移植の問題が大きくとりあげられてます。うかつに「いい、悪い」は言えない問題です。「摘出したい人」がいて、「捨てられる臓器でも移植して欲しい人」がいて、それを医師がつないだ、ということなのでしょうか?確かに、腎臓は2つあるし、何らかの病になった腎臓

2006.12.01 22:19 | いいかげん社長の日記

万波医師の腎移植問題
万波医師、移植患者の選択は「気まぐれ」 登録制度なし(朝日新聞) - goo ニュース これは完全におかしい。口頭でのインフォームドコンセントなど法的な意味は全然ない。患者さんに対して何を説明したか、そして同意を得た証拠を書類とカルテに残すのは当たり前。いくら患

2006.12.01 23:50 | 成り行きアラカルト日記

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