上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |

スタジアムには大歓声のシャワー
暗い夜を照らすライトはそこにいた何万という人間の中の
たった一人のためだけにある
場内アナウンスが名を呼ぶと
その男がゆっくりとネクストバッターズサークルから歩き出す
ゆっくりとゆっくりと
まるで歓声をより長く浴びていたいがためのように


18歳の男が「もう年だ」と呟く
長い長い長い人生が待っていることは百も承知していた
気付くのが遅かった夢から目を背けるかのように6弦に手をやり
歌いたくもないメロディーを夜の駅に響かせる
大人達が受験戦争への参加を促せば
徴兵された男は失敗し
長い長い長い1年間のプレーオフに挑む

19歳の男は大学生
新しい世界を見つければ早すぎた夢への諦めを忘れ去ろうとする
団体行動と集団生活に夢の世界をダブらせて
一人のプレーヤーとして生きている感情が芽生えてた
酒癖の悪いアイツも飄々としたアイツもナイーブなアイツも
海というバッターボックスで大きく大きくスイングする

20歳の男はいつからか一人の女に甘酸っぱい感情を抱く
「女とは男のためにいる」なんて言ったのは遠い遠い過去の話
ドラマのヒロインにさせようと試行錯誤の毎日が
新御堂の帰り道にやさしく通り過ぎる
見えない蟻地獄に落ちた二人は大空を舞い
そこからあの夢のスタジアムを一瞬見下ろせた気がした

23歳になった男は憧れのフィールド・オブ・ドリームスを思い出しながら
ネクタイとスーツというユニフォームに身を包む
そこには背番号もなく
あるのはただただ白く輝くYシャツだけ
満員電車の車窓から「∞の未来」の文字が見えた
フォアボール狙いなんて作戦は
UFOのようにポルターガイストのように第三次世界大戦のようにナンセンス


ギラギラと太陽が怒りつける夏の日
河川敷の土の上で男は白線のないバッターボックスにゆっくりと入る
コンタクトレンズの向こうには大観衆がメガホンを叩き
声を嗄らし叫ぶ姿がはっきりと見えた
そこで俺は全球フルスイングで
ライトスタンドへ起死回生の逆転満塁ホームラン!!
項垂れるピッチャーを横目にガッツポーズでダイアモンドを回る男は
ふと気が付くと打席で3つ目のスイングを終えていた
キャッチャーミットからは白球が覗き
ゲームセット

気付くのが遅かった夢は「∞の未来」が叶えてくれる
場内アナウンスが名を呼ぶと
その男がゆっくりとネクストバッターズサークルから歩き出す

そのとき俺は髭でも生やし
スタンドでお前を見守っているだろう

2005.06.07 | ライフ | トラックバック(0) | コメント(0) |












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://sons.blog4.fc2.com/tb.php/47-0bdb7e7a

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。