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【さくらん】 2点
申し訳ないですが、全くおもしろくなかった。いくら写真家として実績があっても、親父が超有名映画監督でも、それだけですばらしい映画が撮れるとは限らないですね。正直、ある意味ホッとしました。やっぱ映画は中身。色彩や映像、音楽が良ければいいってもんじゃないですよ。

確かに、ビジュアルにはかなり力を入れていて、赤を基調とした世界には独特の雰囲気が漂っていました。蜷川実花さんの写真を何枚か見ましたが、いかにも彼女が好きそうなテイスト。ちょっとギラギラしていてうるさかったけど、そこが彼女の良さでもあるんでしょうね。でも、僕は北野武の『Dolls』の方がすばらしい色彩だったと思います。

ストーリーと脚本は言い出すとキリがない内容。前半、あれだけ花魁の世界を描くことに徹していたのに、後半は急にベタなラブストーリーに突入。椎名桔平が登場してからちょっとヤバい雰囲気が漂いだして、まさかの“そのまんま”な展開。ここまでとは思わなかった。逆に「ウソん!?」って思いましたもん。

各俳優陣の演技っぷりに感じる“時代感”がめちゃくちゃで、違和感たっぷりでした。印象ですが、みんな前半は頑張って時代感のあるセリフを使おうとしてたのに、後半は息切れしてフツーの現代人に戻っちゃってた気がする。後半なんてただの現代の恋愛ドラマやった。退屈やった・・・。土屋アンナなんて“素”でしたやん。あれ、演技って言うんですかね?多少は狙った演技なんでしょうけど・・・まあ、あれが売りの女優なんでしょうから、何とも言えないです。

あと疑問なのが、主人公が花魁としてNo.1に登りつめられたのはなぜなんでしょう?遊郭に来た客がそろって絶賛する理由が、僕にはよくわからなかった。特に飛び抜けて美しいわけでもなく、ナイスバディでもなく、サービスがすばらしいわけでもなく・・・。なんか、出来上がってるストーリーのような感じがして、あまり入っていけなかった。この映画で言えるのは、木村佳乃と菅野美穂の体当たりっぷりにびっくりしたってことだけですね。


【マリー・アントワネット】 4点
これは歴史映画では全くなく、「どこにでもいるような一人の女性の生き様」を描こうとした映画でした。ファッションやグルメを楽しむ女性は中世ヨーロッパでも現代でも同じで、跡継ぎづくりのために四苦八苦する姿や、ダンナに満足できなくなって遊び出す姿など、徹底的にマリー・アントワネットを人間的に描こうとしていました。

しかし、いかんせん、それが表現できていなかった。マリーの性格や心の奥底に秘めた想いが全く見えず、“人間味”がマリー・アントワネットに感じられなかった。ひと言で言えば、キャラが定まっていなかった気がします。ポップで天真爛漫な女性を描きたかったんでしょうけど、脚本が悪かったのか、キルスティン・ダンストには荷が重かったのか、全くダメでした。この女優はスパイダーマンのヒロインの人らしいですね。ぜんぜん魅力的じゃないと思います。オーラも容姿もぜんぶ。スパイダーマンの頃なんかもっとヒドかったですよ。

この映画は歴史的背景を排除させるのが(たぶん)狙いだったとはいえ、ラストシーンはかなりひどかった。どう考えてもギロチン処刑を描くべきだったのに、中途半端すぎる終わり方で最悪でした。実際に処刑される前にマリーが言った言葉なんて、映画のラストシーンにはもってこいの言葉。なのにどうしてそれを使わなかったんでしょう。もったいない。別の意図があるんなら聞きたいもんです。僕なら、マリーが死ぬ直前に放ったあの言葉で映画を締めくくります。ギロチン処刑の瞬間までは映さず、最期の言葉が放たれた瞬間にエンドロールです。その方が絶対いいでしょう。あと、あのBGM、なんだありゃ。あれがソフィアコッポラっぽさらしいんですが、ちょっと僕にはついていけませんでした。

映画のほとんどが宮廷のなかでのシーンで、貧困にあえぐフランスの群衆が登場したのは最後の襲撃事件のシーンくらいだったのは良かった。この映画はあくまでもマリー・アントワネット目線にさせるべきなので、閉ざされた宮廷生活を演出するこの表現で良かったですね。


【それでもボクはやってない】 8点
裁判の傍聴はしたことないですけど、かなりリアルな映画だったような気がする。淡々と進む裁判のなかに、焦りやいらだちが入り交じっていて、容疑者にさせられた主人公の気持ちがよく伝わってきました。日本における司法の構造的問題をバッサリと切っており、主人公でも裁判官でも弁護士でもない“誰か”からのメッセージが存在しているような気がしました。まあ、それは監督である周防正行氏その人なんでしょうね。

役所広司、加瀬亮の演技が特に良かったです。加瀬亮の演技ははじめて見たんですが、こんなにいい役者とは知らなかった。偶然この役がハマリ役だったこともあるんでしょうが、なかなかの演技派っぷりにびっくりしました。長時間の映画なのに長く感じなかったのは、ストーリー・脚本以外にも役者の演技があったからだと思います。この映画は3つとも良かった。シーンとした映画館が妙に心地よかったです。

エンタテインメント性は全くないドキュメンタリー系の映画なので、人によってはしんどい映画でもあるでしょう。でも検察官と弁護士、裁判官の弁論対決や、判決が言い渡されるまでのプロセスなど、もはやこれはエンタテインメントと呼んでもいいものだと思います。傍聴マニアの気持ちも少しは理解できました。裁判長が急に交代したことや、判決基準の裏話など、裁判におけるもどかしい実態を打ち出し、勉強になる部分も多くありました。映画に限らず、この映画みたいに何かの実態を知り学ぶことができるものって大切ですよね。映画ってこういうものが少ないんで、貴重だと思います。しかも打ち出し方が自然で違和感がなく、いち傍聴人になってスクリーンの中に入ることができました。あまりない、一風変わった映画です。他にも日本映画で冤罪告発映画は何本かあるらしいので、これを機会に観てみようかと思います。

2007.03.14 | 映画 | トラックバック(18) | コメント(2) |

【フラガール】 9点
評判が良いのは知っていましたが、ここまでの映画とは思わなかった。ひとつひとつのシーンに感情がこもっているというか、映画から放たれるパワーのようなものが伝わってきて、随所に感動する部分がありました。蒼井優、松雪泰子、富司純子と、メインをはる女性3人の演技がそれぞれすばらしかった。特に富司純子。娘を反対する親心と、応援する親心の微妙な心理状況を、絶妙な演技で魅せていたと思います。蒼井優の親友から届けられた郵便物を渡しに行くシーンと、ストーブを集めるシーンの演技はお見事でした。

実話を元にした映画だということを映画の最後まで伝えなかったところは良いですね。実話を元にした映画は、たまに映画の最初で「この話しは実話です」的なことを伝えてくるんですが、これはあまり好きじゃないです。なんか、「ストーリーがあんまりおもしろくなくても、実話を映画化してるだけやから許してな」って言ってるみたいで、なんか映画に対する自信のなさを感じてしまうんです。・・・考えすぎ?

昭和40年代の炭鉱の街の完成度もかなりのもの。CGとかを駆使して表現してるんでしょうけど、違和感がまったくなかったです。まあ、僕は昭和40年代の炭鉱には行ったことないんですが・・・。あと、この手の映画の醍醐味はやっぱりダンスのシーン。練習風景で断片的にダンスを観ることはできたんですが、一連のダンスシーンをきちんと観ることは終盤までできず、「あれ、このままダンスのシーンがちゃんと観れずに終わってまうんかな?」って思ってました。でも、最後の最後にドッサリとダンスを披露するシーンを用意してあり、満足度アップ。なんかライブを見てるような気分になれて、なかなか気持ちよかった。

シンプルなストーリーではあるけど、映画から伝わってくる想いのようなものを感じました。良い意味で「古いものに固執せず、新しい時代を受け入れよう」みたいなもの。主人公の蒼井優がそれをガンガンに伝えてくれました。彼女の存在感はなんか独特。「生きてる」臭いがするっていうか、何というか・・・。あと、松雪泰子の正体が少ししか解らないようにしているところとか、コミカルな部分とシリアスな部分のバランス具合とかもかなり好きな感じ。むかし観に行った「チアーズ!」って映画を思い出しました。パクリ疑惑の箇所もいくつかありますが、あんまよく分からないので気にしない。楽しく泣ける映画って感じで、ナイスな作品ですわ。


【犬神家の一族】 5点
30年前のオリジナルは観ていないんですが、オリジナルを観た人は揃って「あまり良くない」と言ってますね。まあ、リメイクってそんなもん。観た人はどうしてもオリジナルと比べる意識になってしまうんでしょう。大作であればあるほど、その意識は大きくなるもんやと思います。

個人的な印象で言うと、「なかなかおもしろい2時間ドラマ」。ストーリーが良い意味で単純で、多少の謎解き要素もあり、それなりに楽しく観られます。雰囲気もあるし。ただ、改めてリメイクするほどのモンなんですかね?って思う。オリジナルとほぼ同じストーリーで、監督も同じで、ただ単にキャストを変えただけみたいな感じ。「30年も経ったから、同じストーリーでも新鮮な感じがするやろ?」的な発想なんでしょうか。金田一耕助をむりやり60歳過ぎの石坂浩二に演じさせるのも変な“狙い”を感じるし、リメイクにしてはちょっと中途半端かなあ。ちなみに、松嶋菜々子は特に悪くなかった。島田陽子と比べるとダメっていう意見もあるけど、島田陽子バージョンを観てないから知らん。

犬神家の3姉妹の演技はさすが。風格がありました。打って変わって、深田恭子の演技、なんやアレ!?演劇部の中学生の方がまだマシちゃうか?まあ、逆にそれがオモロかったけどね。あと、犯人とラストシーンがすぐに予想できてちょっと寂しかった。30年前の映画の完全コピーやから、ある程度はやっぱ仕方ないんですかね。


【日常】 8点
大阪吉本興業の芸人が総出演する映画。各々がいろんな立場で日常生活を送り、ただ単にその姿を映し出していくという内容で、特にストーリーっちゅうもんはなく、映し出す芸人を数分ごとに変え、日常風景を無機質に映し出すというパターン。特に気合いを入れて観る必要もなく、いろいろ考えごとをしながら大阪の街を眺めることができます。

大阪に限ったことじゃないんですが、世の中にはいろんな人がいて、それぞれに人生があり、それぞれに悩みがあり、楽しむ姿がある。そんなことを考えながらボーっと観てしまうところに心地よさがありました。主役であるケンドーコバヤシと次長課長の井上の「仮面ドライバー」っていう路上ライブデュオの、中途半端なウマさと手作り感たっぷりの曲が、日常生活のリアルさをうまいこと味付けしています。特に好きだったのは南海キャンディーズのしずちゃんとブラックマヨネーズ吉田のシーン。お金がからんだ会話なので変に緊張感があり、しずちゃんのノロノロした話し方と相まって妙な空気を生んでいた。

これを観て思うのは、やっぱ芸人は普段コントやら漫才やらをしているので、演技が上手やってこと。友近とかサバンナ高橋なんて、日常に溶け込みすぎて気持ち悪いくらいでした。芸人はある意味「なりきる」っていうことでメシを食っているんで、中途半端なタレント俳優より演技力は上でしょ。絶対。

バッファロー吾郎の木村と、ブラックマヨネーズの小杉の髪の毛がフサフサすぎて笑えた。ちなみに今年の2月には続編の『日常 恋の声』が公開されるので、要チェックやで。


【鉄コン筋クリート】 7点
言ってみればちょっと“不思議”系の映画っていうか、独特の世界観がプンプン漂っていて、受けつけない人もけっこういると思います。でも伝わってくる感情はけっこう意外にストレートなもので、後半のクロとシロの感情が表現される部分なんて、意味不明っぽいように見えるけどある意味わかりやすかった。人間の奥底に秘められた感情や、必要なものを失ったときの感情のバランス、そんなものがなかなか素直に表現されてたように思える。心の闇の部分も大きく打ち出していたけど、なんかポジティブに世の中のことを考えられる映画だった。

それにしても、このアニメーション技術はすごい。あの幻想的な世界が実際に存在してるかのようだった。色遣いもなかなかのもので、クロとシロの深層心理・精神世界と、映画の中の現実世界との壁をうまく壊し、絶妙に絡めて映像として表現していました。すこしジブリのアニメに通ずるものがありますね。蒼井優と二宮和也の声優っぷりもなかなかのもの。特に蒼井優なんて、「どれだけ才能を見せつければ気が済むねん!」って思うくらい、ハマってて良かった。ちなみに、僕は原作をまったく知らないんですが。

人間って、いろんなものとバランスを取りながら生きていて、そのバランスって自分が思う以上に重要なんですよね。たかがアニメ、されどアニメ。そんなことを考えさせられて、いい後味がした映画でした。

2007.01.12 | 映画 | トラックバック(7) | コメント(2) |

【ワールド・トレード・センター】 5点
9.11を題材にする意味…あるか?
こんな内容だったら、そこらへんにいくらでも似たような題材があるんじゃないでしょうか。ストーリー自体はよくあるドキュメントタッチの映画。話しに入り込んでいけばそこそこハラハラするし、感動もする。でも…なんか違うねんな~。9.11じゃなければまあフツーの作品やったんかもしれないんですが、この映画にはこんな内容を期待してたんじゃないんです。

せっかく9.11という大きなテーマを扱った映画なのに、重みがない。政治的・宗教的背景も描かれなければ、観てる人に訴えかけるものも少ない。伝わってくるのは安否を心配する家族の気持ちと、家族のために頑張る警官の想いだけ。それももちろん必要だし感動もするんですが、それだけで2時間以上はいくらなんでも長すぎ。ちょっとクドめの単調な感動映画になってます。終始ニコラス・ケイジらだけにスポットを当ててしまっていたので、あのテロの悲惨さ、重大さがあまり伝わってきません。悲惨な現場での救助シーンなどをいくつも映し出す方がまだ良かったのではないでしょうか。あと、最後の「この映画を犠牲者に捧げる」っていうアレ、完全にいらんね。

細かいシーンのことをあれこれ言う必要もありません。根本が違ってる。9.11を題材にするのなら、僕はもっと社会的・宗教的ポイントを鋭く突いてほしかった。「悲惨でしょ?かわいそうでしょ?」だけでこの映画を終わらしてはいけないんです。この題材を扱う責任をもっと考えほしい。もったいない。この題材じゃなかったら、もっと点数は高かったでしょう。こんな内容じゃ『スーパーテレビ』とか『世界まる見え!テレビ特捜部』の方がおもろいかもね。

【涙そうそう】 6点
感動はしましたが…イマイチな映画。
沖縄の風景と音楽が映画自体を大きく盛り上げていて、胸にグッとくるものはありましたが、冷静に考えてみるとなかなかイマイチな映画でした。特に思うのが、中盤以降のストーリー展開。前半はあれだけゆっくりとじっくりとストーリーを進めていたのに、中盤から展開が急に軽くなっていました。あれは何があったのでしょう?

泣かせる要素としてはかなり“ベタ”なものが多い映画。「あ~泣かせようとしてるわ~」って思うシーンが何度もありました。まあ泣かせる映画とはそういうものなので、別にそれはそれでいいと思います。でも“ベタ”の使い方がベターじゃなくて、あまり話しに入り込めなかった。長澤まさみが妻夫木聡の家から出ていくシーンで言えば、別に一生会えないわけでもなく、ただ単に妹がひとり暮らしするっていうだけなのに、なんであんなに大泣きする必要があるんやろか?「死」のシーンでも、あまりに死が急すぎて、「えっ?ほんまに死んだん?てか、それくらいで死ぬか?」と変にびっくりしてしまった。台風の日に助けに来るシーンも、話が都合よすぎて何かうさん臭かった。もうすこし脚本の質を高めるべきでしたね。無理矢理な感じが多々あった。

…とまあ、なんだかんだ言いましたが、結局大粒の涙を流したのも事実。ヒドい映画ではないです。ちょっとリアルさが足りない映画でした。沖縄の雰囲気を味わいたい人なら、そこそこ満足できるんじゃないでしょうか。僕は長澤まさみが船上で手を振るシーンですでに泣きそうでした。

【カーズ】 7点
ピクサーはさすがですね。今までのピクサー作品とちがい、生き物ではなく車という機械が主人公なので、観ていて感情移入できるのかを不安に思いながら観ましたが、表情や動きが自然で、本当に生きてるような感じで観られました。表現力を高めるのにかなりの時間を費やしたんだろうな~と感心してしまいました。映像の美しさやストーリーの完成度はいつも通りなかなかのもの。もうちょっと時間が短ければもっとよかったですね。

【ゲド戦記】 5点
酷評されまくってましたが、思ったより悪くなかった。
画が手抜きっぽいところがあって、ちょっとアレやったね。

【太陽】 4点
イッセー尾形さんのアレ。ものすごい映画です。
全くオススメできませんが、ある意味オススメ。

2006.12.04 | 映画 | トラックバック(2) | コメント(6) |

【かもめ食堂】 10点
誰もが好きになる映画では決してないけど・・・最高でした。
僕は気に入った映画でもDVDやサントラを買うことはほとんどないんですが、この映画を観て思わずサントラを買ってしまいました。DVDも出たら買うつもりです。印象をひと言で言えば「うたた寝しながら観たい映画」。全体的に音楽もほとんどなく、スローなテンポで抑揚もなく進んでいく感じがかなり“気持ちいい”と思える空気のような映画。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの3人の個性を十二分に活かし、それでいて3人を調和させている塩梅が絶妙でした。映画の終わり方もここ数年に観た映画の中では一番良かった。ダラダラしてるようでダラダラしてなくて、素晴らしく良いメリハリを感じました。

この映画の大きなポイントは音楽とカメラワーク。映画の中で音楽はほとんど流れていませんでした(サントラ買ったけど15曲合わせてたった19分!)。これはフィンランド・ヘルシンキのゆったりした雰囲気を出すことが狙いなんでしょうね。音楽がほとんどないにもかかわらずカメラワークやセリフにテンポがあり、ゆっくりとした中にもリズムが生まれていました。ヘルシンキの雰囲気を出し、それでいてダラダラした感じを出さなかったところに監督の上手さを感じました。カメラワークがたまに食堂の中にいる一人の目線のようなアングルになっていたことも良かった点の一つ。潜在的に「かもめ食堂」にいる人の一人になった気がして、“映画を観てる”というよりも“映画の中にいる”ような感覚を覚えさせてくれました。

主人公の3人は何かしら深い理由でヘルシンキに集まっているようでしたが、それをすべては明らかにしなかったことも気に入った点のひとつ。謎が多く残ることで様々な想像力をかき立てさせられました。でも、あくまでストーリーはその部分に焦点が当たらないように進んでいくので、終わってから気持ち悪い感覚も感じなかった。すべてが監督や脚本の狙い通りなのかどうかは知りませんが、そういう細かい部分に僕はハマりました。「絶妙!」って思えるポイントが多かったです。登場人物がかなり少ない映画であることも、僕にとってはけっこう好きなポイントですし。

コミカルでほんわかした雰囲気でボーっとしながらでも観られる映画ですが、映画から感じられる“大きなもの”もありました。小林聡美があるシーンでボソっと言った「人間は変わっていくから」の会話のあたり。その部分がこの映画の伝えたいことだったのではないでしょうか。それについて小林聡美は多くこそ語ってはいませんが、寂しさとか強さ、弱さとかが垣間見えて、人間の過去や未来、出会いや別れなどについて考えさせられました。良い映画を観ている時って、観ながらいつの間にか考えごとをしてしまったりします。数分後にあわてて映画に戻るんですが、その感覚が僕はかなり好きです。なんか深いものを感じる映画って、こんなふうに僕に考えごとをさせる傾向がある気がします。そこがホンマにたまらんのです。でも言っておきますが、この手の映画は嫌いな人も多いはずです。“事件”が全くないですから。


【DEATH NOTE デスノート 前編】 5点
思ったよりは良かった・・・程度の映画。
漫画はけっこう好きでよく読んだんですが、こういう人気漫画みたいなものを映画化するとたいがいが駄作になる傾向があります。『ドラゴンヘッド』なんか最低最悪やった。でもこの映画はそんな予想に少しだけ反して、まあまあ楽しめました。原作の一番おもしろい部分を映画化しているんで、まあそりゃあオモロイわな~って印象です。良くも悪くも漫画を忠実に再現しているから、フツーに漫画を楽しんでいるのと同じ感覚で観れました。主人公のライトの冷酷ぶりもなかなか良い感じに出てましたし。

ただ、これは完全なる「商業用の映画」ですね。漫画を忠実に映像化することに全力を注いで、映画ならではの演出や展開は完全に捨てたって感じがします。ストーリーが漫画と違っているのは当然として、リュークのCGもLやライトの見た目も、新規ファンより既存の漫画ファンを引き寄せることを完全に狙ってるって感じがしました。前編・後編に分けたことについては、内容的に2時間では詰めきれないっていうのはわかるんですが、ちょっと乱暴すぎる気がします。2時間の完結ものにする技術やアタマがなかったと露呈しているようなモンですし、特に終わり方がお客さんのことを考えてないような乱暴な終わり方のような気がしました。もしかしたらこの映画の出来(というか原作自体)に相当な自信があるのかもしれないですね。なんかテレビで最近よくある「結果はCMのあと・・・!!」みたいな、「延ばして延ばして・・・」っていう戦法を露骨に使っている感じがして、あまり好きじゃないですね。100歩譲ってこの方法をとらざるを得なかったとしても、前編を観た人だけ後編の入場料を安くするとかしてくれないと、映画制作側の“いやらしさ”だけが伝わってしまってイヤですわ。

映画の内容で言うと、僕としてはもっと漫画と違うことをしてほしかった。漫画のイメージを壊さないようにしすぎていたので、すべての映像で「ムチャできない」感があり、つくりもののような“ハリボテの世界”って感じに見えました。僕ならもっと生活感のある映像を描こうとしていたと思います。あと、リュークの存在にかなり違和感があったのも気になった。漫画でも多少の違和感はあるんですが、映画ではあえて登場させないくらいのことをしても良かったと思います。もしくは、限りなく人間に近い存在・ビジュアルにするとか。あのCGはちょっとキツいっす。

あと、この映画はとにかく役者の演技がヘタ!ちょっとヒドすぎじゃないでしょうか?藤原竜也も松山ケンイチも脇役もみんな。エキストラなんて特にひどくて、高校の演劇部よりヒドかった気がします。観ていてこっちが恥ずかしくなりました。よくあんな演技で監督はオッケー出したなぁって逆に感心します。プロやねんからもっとこだわって頑張れ!と言いたいですね。

最後にひとつ。「ライトがなぜ大切なものを犠牲にしてまでデスノートで犯罪者を殺し続けるのか」これをもっと大きく打ち出してほしかった。後編には何かしらの表現があるのかもしれないですが、前編の表現だけではちょっと足りない気がします。

2006.06.27 | 映画 | トラックバック(33) | コメント(11) |

【嫌われ松子の一生】 8点
これ、めっちゃオモロイです。涙でました。
簡単に言うと、“マゾっ気たっぷり”の映画。中谷美紀がどんどん不幸になっていくのが、観ていて「かわいそう」でありながら「気持ちいい(?)」とも感じます。2時間があっという間。人生を考えさせてくれる映画でした。

この話は、松子の甥役である瑛太の存在が大きかった。松子は主人公でありながら既に一生を終え、瑛太の周りで“逸話”のように語られていました。それが松子の存在をより大きく感じさせていた気がします。ただの不幸で終わらず、“カッコいい”とさえ思わせたのは、瑛太のような客観的な存在があったからだと思います。しかも、ただ単に松子の不幸な人生を描いただけではなく、「家族とは」「幸せとは」など、伝えるものが大きくあったことが良かった。コメディタッチの雰囲気も逆にいろいろ考えさせてくれた要因だと思います。

中谷美紀がハマり役だったかどうかはわかりませんが、演技は素晴らしかったです。この映画で見る目が変わりました。中島監督にだいぶシゴかれたみたいですが、それだけのことはあったと思います。これは今後、彼女の代表作になっていくのではないでしょうか。中島監督もこだわるだけあって、なかなか粋な作品に仕上げていたと思います。瑛太のシーンと松子のシーンにテンポの差を大きくつけて構成を分けたことで、松子の一生を主観的な視点と客観的な視点で上手く表現していたと思います。

結局、松子は不幸すぎる人生でありながら、とことん幸せを求め、幸せをたくさん感じて生きていました。だからこそこの映画を観て「人生って素晴らしい!」って感じることができました。それがなければこれはただの“不幸な映画”。ここがこの映画を左右した大きなポイントだと思います。

気になった点としては、時代の描写が中途半端だったこと。テレビ画面に時代を代表するニュースを無理矢理っぽく流していましたが、この効果がほとんど感じられなかった。それは、それ以外の部分で時代の描写がなかったことも原因。変に現代風のノリに仕上げていたので、テレビのニュースがあっても時代感が全く伝わってきませんでした。むしろ違和感を感じたぐらいなので、正直、あのニュースはなくても良かったと思います。変に欲張ったのでしょうか。

あと、オバサンになった松子のビジュアルが現実離れしすぎて、違和感があったことも残念。もうちょっと頑張れなかったのでしょうか。惜しい。

まあでも、素晴らしい映画。
終わり方もかなり好きでした。


【名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌】 2点
あちゃ~。こりゃおもしろくない。
今までのコナン映画の中でダントツにつまらない映画。今までの作品が良すぎたのか、期待を完全に裏切られました。う~ん、これはどうしたことか・・・。正直、おもしろくなさすぎてびっくりしました。

まず、最も失敗だった点として言えるのが、登場人物が多すぎたこと。今回はコナン映画10作目を記念し、「オールスター」みたいな感じで、できるだけ多くのキャラを登場させたいという思惑が制作側にあったらしい。まあそれはわからんでもないんですが、それでは話についていけない人が多くなるのも当然。何度も観ている僕でさえ、「あれ、これ誰やったっけ?」「この人、どんなキャラやったっけ?」って何度も思いました。服部平次くらいならまだ良いんですが、怪盗キッド、和葉、佐藤刑事、高木刑事、白馬など、「これでもか!」というくらいキャラクターをどんどん出されては、頭の整理だけで精一杯。しかも顔が似てる人が多いから、もう途中からは意味不明。初めてコナンを観た人は「?」の連続だったでしょう。怪盗キッドなんかは敵か味方かよくわからん存在やし。初めて観た人は「誰やねん?」ってなりますよ。

あとの失敗点は、話の展開やトリックに派手さがなく、盛り上がりに欠ける内容だったこと。いつもならトリックを暴くところとアクションシーンを絡めて、後半の盛り上がりを演出していくんですが、今回はコナンを含めた探偵たちの会話が中心に話が進行。それだけに「ふーん」くらいのリアクションしかできず、「いつ盛り上がるんやろ?」という気持ちのまま映画が終わりました。ちょっといつもと志向を変えた映画にしたかったのか知りませんが、いつものコナン映画らしさがなかったですね。蘭も完全に脇役でしたし。

さらに、話の大筋と関係ないところでしょーもない事件が起きて、そしてその事件の解決方法がかなりしょーもなかったところも残念でした。なんか無理矢理に盛り上げようとしてる感じに見えて、話に入っていけなかった。う~ん、これは重傷やぞ、山本泰一郎監督!

以上、文句ばっかり言いましたが、コナン映画は基本的におもろいです。特に、こだま兼嗣監督の頃の映画がオススメです。暇な人、ぜひビデオ借りて観ましょう。僕は「天国へのカウントダウン」で泣きました。

2006.06.02 | 映画 | トラックバック(5) | コメント(4) |

【THE 有頂天ホテル】 9点
いや~、素晴らしい。三谷幸喜あっぱれですな。あれだけの豪華キャストで、しかもそれぞれに強いキャラクターを持たせているのに、つぶし合うことなくそれぞれを活かしていました。作品全体から伝わってくる大きなものもあり、これぞ良い映画!って感じ。評判がすこぶる良いのも納得です。

これを観た人は誰もが感じると思いますが、これは映画でありながら舞台の雰囲気を出しています。1カットで何分もカメラを回し続けるシーンが多いので、シーンが切れ切れにならず、その場の全体的な雰囲気がすごく伝わってきます。まさに舞台を映画化したって感じ。これは出演している役者もそれなりの実力や努力がないと演技できないでしょう。

三谷映画は、気持ちをあったかくさせるシーンもあれば、笑わせるシーンも多く登場。これはお笑い芸人が伝える笑いとはまた違う笑いだと思います。「もしかしたらサブく感じるかも」と思っていたのですが、思わず何度も笑ってしまいました。会場が一体となって笑っていた印象があります。これは彼の才能でしょうね。笑いのセンスもあれば、伝え方のセンスもあると思います。あとは、映画に出てくる数々の謎や問題が、最後になってどんどん繋がっていくのが三谷映画らしいと思いました。良くも悪くも。なんとなく「王様のレストラン」に似た雰囲気がありますね。あのドラマはめちゃくちゃ好きでした。

ただ、なぜか「もう一度観たい」とは全く思いませんでした。なぜでしょう。観て、すっきりして、ハイ終わり。って感じ。「あの場面はどういうことなんやろ?」って見終わってから思うところがあまり無いからかもしれません。


【輪廻】 6点
ベタなホラー映画っちゅうもんを久しく観てなかったんで、なかなか楽しめました。呪い、黒髪の少女、人形、ビデオテープ・・・なんか、ジャパニーズホラーのマニュアルを見ているような気分でした。いい意味で。ラストの方では意外なオチもあり、なかなかよくできた映画ですね。展開がちょっと『シックスセンス』に似てるかも。

純粋に怖さを求めるのであれば、正直それほどでもないです。『リング』の方がやっぱり怖い。さすがに、ベタな怖がらせ方だともう慣れちゃってるんで、衝撃もなければ汗をかくこともありませんでした。ただ、「怖がりたい!」みたいな意気込みで観に来てる客が多く、全然怖くないシーンでもワーキャー言ってました。うるさいっちゅうねん。

あとは、もう少し謎めいたシーンが多ければ良かった。出演者の行動がうまいことストーリーに結びつきすぎていて、リアルさが少しだけ薄れた気がしました。でもまあ、基本的にはおもしろい。優香の演技(特に最後)なんかびっくりした。こんな演技できるんやって思いました。彼女を見る目が少し変わりましたね。やるじゃん。最後に、香里奈が美人すぎて大学でのシーンに入っていけなかった。ちょっと浮きすぎ。あの役はもっとおとなしい感じの人にすればいいと思います。


【江戸川乱歩の黄金仮面 妖精の美女】 5点
映画じゃなくて2時間ドラマですね、これは。ただの推理ドラマかと思いきや、アクションシーンも多くあり、冒険もののような雰囲気さえ漂っています。明智小五郎VSルパンというビッグネーム対決の設定なのに、どうも映像や演出がショボく、笑わせてくれました。天知茂をはじめ、由実かおる、ジェリー伊藤、伊吹吾郎、山本リンダなど、出演者が豪華でそれぞれが素晴らしく輝いています。

さすがに27年も前の作品なので、ツッコミどころ満載。なぜか女性出演者が次々とおっぱいをポロリさせるので、なんか変に笑えた。演技もぎこちない人が多く、伊吹吾郎のカタコト外人役なんかめっちゃ下手。ただ、そんなところもおもしろさの一つとして楽しめます。今のドラマにはない雰囲気がプンプンしていて、何年かに一回は観たいドラマだと思いました。あとは、もっと推理対決の部分をメインにしてほしいですね。ちょっとショボすぎます。最近の映画やドラマに飽きてきた人には、一回だけオススメします。

2006.02.05 | 映画 | トラックバック(11) | コメント(6) |

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